二つの出口
2022年11月07日
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ムンド校創設から10年ほどは、新しい学校として学校のステイタス、
教育のアウトプットを重きに、生徒たちの進路については、「進学」
に力をいれなければなりませんでした。そして、外国人学校としては
ハードルの高い二つの出口、「母国でも日本でも進学できる」環境を
整えることへの挑戦でした。
母国での進学については、本国のカリュキュラムに従っての学習を
していますから、教育内容については問題ありませんが、母国でも
大学進学となると経済的に大変です。一方、日本での進学は能力も
さることながら高い日本語力が必要となります。非漢字圏の南米の
子どもたちにとって容易いものではありません。さらには費用の問題
がかなり大きく影響します。
ですので、一人でも多くの生徒たちが希望すれば進学できる道筋を
つけることに総力をあげてやる必要がありました。
少しずつ進学実績が出てくると、生徒たち自身、そして保護者たちから
ムンド校の教育が認知され、高校生の在籍者が増加していきました。
高校生の在籍者が増加する、ということはそれだけ進路に結びつける
ことが大変になります。なぜなら、本人の能力、日本語力、家庭環境、
バックグラウンド、等々、影響を及ぼす要因が多岐にわたるからです。
高校課程の在籍者が増加したことで、「就職」についても本腰をいれて
やらなければならない状況になりました。出稼ぎで来日した保護者たち
のように派遣雇用での仕事であれば難しいことではありませんが、親世代
とは異なり、日本で自己実現をできる世代の子どもたちにとっては正社員
を目指すことが必要でした。
通常日本の高校では高校によって進学中心の学校、就職中心の学校と
分かれていますが、ムンド校の場合は両方をバランスとって行わなけれ
ばなりません。新たな二つの出口、「進学と就職」というそれぞれの道に
つなげる挑戦をスタートすることになったのです。
地元企業の皆さんに職業講話、職場体験、インターシップ等々、お世話に
なり、ご支援、ご協力をいただいています。