学年末

学年末
本校は南米の学校なので12月が学年末です。学年末試験を受けて
点数が足りない生徒には追試があり、それでもだめな場合は留年し
ます。各教科の担当教師間で話し合いをもち、出来るだけ留年する
ことにならないよう補習をしてサポートします。

それは、学習という観点では落とすことも必要なのかもしれませんが、
「個人の尊厳」に関わってきます。子どもたちからモチベーション、
希望を奪いたくありません。

本国とは異なり日本にある本校のような南米の学校では、同じ学年
でもそれまでの教育環境によって習熟度が異なります。移動の多い
南米の子どもたちは行ったり来たりで定着がなかなか難しいのです。

特に日本の学校から編入しポルトガル語が出来ない生徒にとっては
ブラジルの教科に悪戦苦闘します。私たちが中学校で英語の教科を
勉強しますが、「英語を」勉強するのではなく、「英語で」数学、理科、
社会等々各教科を勉強することを想像すれば理解出来ます。

また学年末は生徒たちが移動する時期です。本国に帰国する生徒は
毎年います。本国の学校に編入する生徒、他県へ引っ越しする生徒、
学校最後の日には挨拶に来てくれますがいつも別れは寂しく感じます。
言葉にはならないので生徒とハグして別れを告げます。

そして1月には卒業式を迎え、高校3年生たちがそれぞれの進路へと
旅立っていきます。この日は毎年卒業生の晴れの姿を見れる喜びと
別れる寂しさを感じざるを得ません。生徒との別れに慣れることはない
ですね。

それでも卒業後、近況を知らせに学校を訪ねてくれる生徒たち。
繋がった「縁」は続いていくと信じています。