言葉ができても通じない(思考の問題)
2021年08月16日
カテゴリー :
もう10年以上前になりますが、初めてペルーへ仕事で行くことになった
時に、ペルーで長く暮らした経験のある日本人の人にこんなことを言わ
れました。「現地在住が長い日本人には気を付けた方がいい。日本人
だと思って信用してしまうとえらいことになるからね。」と。
その言葉の裏付けになるような多々の経験があり、その人の周りでも同じ
ようなことが少なくなかったようでした。その人曰く、「現地で長く暮らすと
いうことはその国の常識、やり方に染まらないと暮らせない。だから見かけ
は日本人だけれど、中身は日本人同士で通じ合う常識、習慣、考えがない
と思った方がいい。」と。
小さい頃から日本で育ち、日本の学校で勉強してきた外国人の人たちの中
には、母国語より日本語を話し、通訳という役を担っている人も少なくありま
せん。日本語を話すので日本人同士の感覚で話すと、「あれ?」と思うこと
も少なくありません。常識、考え方、とらえ方等々が異なるのです。同じ言語
を使っているのに通じません。
私はスペイン語を学び、日常会話であればスペイン語話者と話すことができ
ますが、その言葉に隠れている文化、習慣を知らないと間違ったり、意図する
ことと違ってしまったりすることを知っています。南米の人たちと長く関わって
きた今でもまだ慣れないことがあります。そして、自分の文化と違うことを含ん
でいる場合、スペイン語で話すことにストレスを感じます。
多文化共生、、、簡単にいかないことのが多いです。言葉は綺麗ですが、中身
はなかなかドロドロしているように感じています。