翻訳の難しさ
2019年09月23日
カテゴリー :
ムンド校内にはポルトガル語、スペイン語、英語、日本語が存在します。ブラジル過程の子どもたちはポルトガル語で学習することはもちろんですが、科目の中にスペイン語、英語、日本語の教科が入ってきます。ペルー過程の子どもたちはスペイン語での学習で、科目に日本語、英語があります。
学校の教職員はブラジル人、ペルー人、日本人ですが、共通言語はケースバイケースで異なります。ただ、学校から保護者への通知、連絡にはポルトガル語とスペイン語になります。通常の案内については問題ありませんが、外部との交流、イベントになりますともともとの情報が日本語であり、日本語の案内をポルトガル語とスペイン語に翻訳することになります。これは直訳するとほとんど伝わらないことがありますので慎重にしないといけません。なぜなら、言葉には文化・習慣が含まれているからです。そこを理解せずに言葉を直訳すると本意が伝わらないのです。ですから日本語の文章をポルトガル語、スペイン語に翻訳する時はブラジル人、ペルー人のスタッフと意味を確かめたり、こういうことを伝えたい、この表現でどういう理解になるか、ということを話し合いながら訳していきます。ほとんどの場合が日本語の文よりも補足となる内容を加えるので訳文が長くなります。その「補足」こそが異文化理解をうながすものなのです。
生徒の保護者の付き添いで入国管理局にビザ申請の不許可の理由を聞きに行った際のことです。申請が不許可になった場合、不許可通知と一緒に一枚の案内文が送られてきます。案内文の内容は、不許可になった場合決定に異議がある時は裁判の申し立てができます、その申し立てができる期間が6ヶ月以内となっています、というものです。不許可になったので裁判して下さい、という案内文ではないのですが、そのように理解する人が少なくないようです。日本語の原文を日本人が見ればそのように理解する人は少ないと思える内容ですが、スペイン語の翻訳文を見ると少し言葉が足りなくてそのように理解してしまうのも理解できました。「補足文」が必要な気がしました。
言葉を理解できても文化、習慣まで理解する努力をしないとなかなか正確な翻訳は難しいと感じざるを得ません。
ムンド・デ・アレグリア学校HP
http://www.mundodealegria.org/