感情を忘れて

松本雅美

2020年01月13日 17:07




離婚した両親に翻弄された生徒が帰国しました。先日「救われる笑顔」の記事の生徒です。

小さい頃に両親が離婚し、離婚した両親にはそれぞれ別のパートナー、子どもがいて、その生徒は再婚した母親と母国でしばらく住んでいましたが、母親のパートナーのDVと母親が自分を守ってくれないことに耐えかねて祖父母の元で生活していました。

昨年再婚して日本で住んでいる父親が現状を見かねて日本に呼び寄せましたが、父親の再婚相手とのトラブルで来日して半年で帰国することになりました。

帰国前にその生徒の気持ちを聞きたくて話をしました。母親とのこと父親とのこと淡々と話してくれました。二人の子どもであるのに二人を冷静に見ていました。母親が自分を育てられなかった未熟さ、誰かに依存しないと生きられない生き方を指摘、そして父親には再婚相手との間に生まれた赤ちゃんのことを一番に考え、自分のように親に育てられない子にならないように父親に伝えたと言ってました。父親も母親も同じで、親として子どもを優先順位にするのなく、自身のことしか考えられない、と、そして、自分にとっての家族は自分の姉と祖父母だけだと言っていました。

とても辛い環境で両親に甘えることができず、寂しさ、悲しさ、苦しさをいっぱい溜めているはずなのに、自らの状況を淡々と涙も見せず話す様子を見て、あーこの子は感じることをやめたんだな、と思いました。感じることをやめることですべてのものを封印したんだと思いました。

しかし、人間である以上、感情があり感じることを辞めても体の中に残り続けますから、癒されて苦しさから解放されてほしいです。


ムンド・デ・アレグリア学校HP
http://www.mundodealegria.org/